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小説 書評

希望荘│宮部みゆき

2023/8/5  

『希望荘』宮部みゆき小学館 なんでもない日常に、意外な事件が潜んでいて、その事件の奥にとんでもない恐怖が隠れていたりします。それは死の間際、介護施設にはいった父親がワイドショーを観ながら、「自分はむか ...

小説以外のもの 書評

参謀│森繁和

2023/8/5  

『参謀』森繁和講談社文庫 落合が監督をしていたときの中日は、静かで、不気味な雰囲気が漂っていました。なにか仕掛けてきそうなムードがあり、徹底した情報管理も然り、相手からすればいつ奇襲を仕掛けてくるのか ...

小説 書評

失われた過去と未来の犯罪│小林泰三

2023/8/5  

『失われた過去と未来の犯罪』小林泰三角川書店 ある日、世界は「大忘却」とよばれる現象に見舞われます。 人類は、十数分前の記憶をうしなってパニックとなります。そして数分から十数後には、最初のパニックの記 ...

小説 書評

向田理髪店│奥田英朗

2023/8/5  

『向田理髪店』奥田英朗光文社 向田康彦は、北海道苫沢町にある昔ながらの床屋───向田理髪店の経営者です。 昭和四〇年代にはいり石油へエネルギー政策が転換されると、苫沢町では炭鉱の閉山が相次ぎ、人口流出 ...

小説 書評

風は青海を渡るのか?│森博嗣

2023/8/5  

『風は青海を渡るのか?』森博嗣講談社タイガ ハギリ博士がウォーカロンについてインスピレーションを得る、ただそれだけのお話です。 従来からウォーカロンが暴走するのは、ある種の拒絶反応が原因と考えられてい ...

小説以外のもの 書評

ヘンな日本美術史│山口晃

2023/8/5  

「ヘンな日本美術史」山口晃祥伝社 絵画や美術史のおもしろさより、山口晃の感性が勝ってしまう、そんな一冊です。山口晃が感性を見せつけるのは、イラスト審査のエピソードを持ち出したときで、 ”イラストレーシ ...

小説 書評

さよなら神様│麻耶雄崇

2023/8/5  

『さよなら神様』麻耶雄崇文藝春秋 ■ネタバレという禁忌 主人公は小学五年生の倉知淳。淳のまわりでは奇怪な事件がおきていて、担任の先生が殺人事件で容疑者扱いされたり、五十五才の女性が首を締められて殺され ...

小説以外のもの 書評

宇宙は何でできているのか│村山斉

2023/8/5  

『宇宙は何でできているのか』村山斉幻冬舎新書 素粒子から宇宙の大きさを考える本です。極小から極大をながめるのが特徴になっています。これを読むと、いっけん別々にみえる極小と極大の世界が、ひとつの輪を形成 ...

小説 書評

イノセント・デイズ│早見和真

2023/8/5  

「イノセント・デイズ」早見和真新潮社 JR横浜線中山駅近くにある木造アパートで、放火事件がおこり、井上敬介の妻・井上美香と、ふたりの娘が死亡します。 犯人は田中幸乃という若い女性です。幸乃はかつて敬介 ...

小説 書評

百舌の叫ぶ夜│逢坂剛

2023/7/30  

『百舌の叫ぶ夜』逢坂剛集英社文庫 公安刑事の倉木は、爆弾テロによって妻を亡くし、犯人を追っていました。爆弾テロの犯人と目される新谷は、石川県・珠洲の孤狼岬で記憶喪失となってみつかり、一匹狼の倉木は無茶 ...