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小説 書評

書楼弔堂 破暁 │ 京極夏彦

2025/7/16  

「書楼弔堂」京極夏彦集英社 悩める子羊が本屋をおとずれ、店主と話しこむうちに、もやもやが解消するお話しです。子羊がどのように懺悔し、心の重しをおろすのかが見どころです。ものがたりの舞台となるのが本屋、 ...

小説以外のもの 書評

日本列島100万年史│山崎晴雄 久保純子

2025/7/14  

「日本列島100万年史」山崎晴雄、久保純子講談社ブルーバックス この本はプレートテクトニクスから日本列島のなりたちを説明しています。 プレートテクトニクスとは、地球の表層を板状の岩板が移動するという考 ...

小説以外のもの 書評

日本霊異記の世界│三浦佑之

2025/7/13  

『日本霊異記の世界』三浦佑之角川選書 少彦名命について 少彦名命は、古事記で以下のように語られています。 ”少彦名命は、天の羅摩船にのってやってきた。不思議に思った大国主命が「あなたは何と言う神ですか ...

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サッカーという現象学

2025/7/11  

オシムの戦術千田善中央公論新社 ドイツワールドカップで惨敗を喫したサッカー日本代表は、失意のどん底に沈んでいた。黄金世代がピークを迎えるこの大会で日本代表は世界と対等にたたかうことを期待され、それがで ...

小説以外のもの 書評

10番は「司令塔」ではない│北健一郎

2025/7/11  

『10番は「司令塔」ではない』北健一郎角川書店 ”祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろび ...

小説以外のもの 書評

すごい実験│多田将

2025/7/5  

「すごい実験」多田将イースト・プレス 超新星爆発とは、大質量の恒星が、その一生を終えるときに起こす大規模な爆発現象をいいます。爆発なので、実際は星が死ぬところなのですが、新星爆発は地球から見ると新しい ...

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音楽がおもしろい本

2025/7/5  

本を読んでいるのに音楽が頭のなかで鳴りひびく。そんな読書体験をしたことはないだろうか。外からか内からなのかのちがいはあれど、ことばも音楽も、なにかを想像させるという点で働きはおなじなのだ。 ピアニスト ...

小説 書評

祈りの幕が下りる時│東野圭吾

2025/7/4  

「祈りの幕が下りる時」東野圭吾講談社 加賀恭一郎と彼の母親の物語です。実をいうと、東野圭吾はあまり読みません。なぜかというと、登場人物キャラクターに個性がなく、展開にソツがないからです。この人の作品は ...

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どこにもいけない小説

2025/7/2  

読めどもよめども、話がすすまない。どこにも向かわないジレンマを抱えた作品は、濃い霧のなかを手探りですすむかのようだ。どこを歩いているのか、どこに至るのかまるでわからない。そんな状態にありながら、この作 ...

小説 書評

壁の男│貫井徳郎

2025/7/2  

『壁の男』貫井徳郎文藝春秋 栃木県のとある町が、SNS上で話題となっていました。その町は、小学生の落書きのような絵であふれ、町全体を覆いつくしていたのです。牧歌的な田舎に突如あらわれた稚拙な絵は、異様 ...