kshima

小説以外のもの 書評

評伝 川島芳子│寺尾紗穂

2022/2/26  

「評伝 川島芳子」寺尾紗穂文藝春秋 「東洋のマダ・ハリ」「男装の麗人」とよばれた川島芳子――。あたかも女スパイの代名詞のごとく描かれる彼女は、たんなる偶像ではないか? というのが本書の主張です。&nb ...

小説以外のもの 書評

満州の情報基地 ハルビン学院│芳地隆之

2022/8/15  

『満州の情報基地 ハルビン学院』芳地隆之新潮社 満州とは、いわゆる中国の東北部で現在の遼寧省、吉林省、黒竜江省と内モンゴル自治区の東部にあたります。旅順、大連、瀋陽、新京といった都市が浮かびますが、な ...

小説 書評

盤上のアルファ

2023/7/27  

『盤上のアルファ』塩田武士講談社 あらすじ かなり熱い将棋の話です。新聞記者の花形・県警本部付だった秋葉隼介は、ある日、文化部に配属され、将棋観戦記者になります。そして、ひょんなことから秋葉は、真田信 ...

本棚のこと

新しい本を買うための本棚は必要か?

2022/2/23  

本棚の目的 本来、本棚の目的は、収納と検索にあるとおもう。記憶を蓄積しかつ必要なときに情報を取りだしやすくする整理箱が本棚だ。それゆえ本棚は多くの本を蔵する必要があるし、すぐに取り出せるようにある程度 ...

小説以外のもの 書評

大局観

2023/7/27  

『大局観』羽生善治角川oneテーマ21 あらすじ 若いころは勝ちはないと思われる劣勢な状況でも、くそ粘りして終盤に勝ちを拾っていたと羽生さんはいいます。しかし、今はもうそういったことはないんだとか。そ ...

小説 書評

隻眼の少女

2023/7/27  

『隻眼の少女』麻耶雄嵩文藝春秋 あらすじ 平安時代の衣装の水干をまとった美少女が、探偵となって事件を解決するお話しです。この話は二部構成になっています。一九八五年・冬。二〇〇三年・冬。 間が ...

小説以外のもの 書評

四ツ谷先輩の怪談

2023/7/27  

「四ツ谷先輩の怪談」古館春一集英社 学園と怪談 ベタなアイデアのくせに、けっこう読ませるマンガです。怪談創作に並々ならぬ執着をみせる四ッ谷先輩は、学校に住み着くホームレス中学生です。事件がおこると、み ...

小説 書評

ポーツマスの贋作

2023/7/27  

『ポーツマスの贋作』井上尚登角川書店 あらすじ 日露講和会議は、八月一◯日、ポーツマスにて始まりました。日本側の全権は小村寿太郎と高平小五郎、それにくわえ随員(書記官)の佐藤愛麿・安達峯一郎・落合謙太 ...

小説 書評

50億ドルの遺産

2023/7/27  

『50億ドルの遺産』山田正紀徳間文庫 あらすじ 山田正紀の中興期における冒険小説です。ところどころ山田正紀未満な箇所があるのですが、脂がのる前の荒々しさがかえって新鮮だったりします。 驚いたのは中興期 ...

小説以外のもの 書評

昔話のコスモロジー

2023/7/26  

『昔話のコスモロジー』小澤俊夫講談社学術文庫 昔話の起源 西欧における昔話の特徴は、なんといっても魔法に尽きるでしょう。たとえば愛情による魔法の解除。みるからに西洋童話といった感じですが、グリム童話「 ...