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小説 書評

七夕の雨闇│高田崇史

2023/7/30  

『七夕の雨闇』高田崇史新潮社 七夕うんちくに満ちたミステリィです。梅雨の香りにつつまれた稽古場で、竹河流能宗家・竹河幸庵は、「…り…に、毒を」ということばを残して絶命します。 その数時間前、幸庵は自身 ...

小説 書評

首なし男と踊る生首│門前典之

2023/7/30  

「首なし男と踊る生首」門前典之原書房  クロス・ウェディングの正丘社長が立てた殺人計画により、事件は幕を開けます。流行に敏感で飽きやすい日本人に対し、割安なウェディングプランを提供するクロスウェディン ...

小説以外のもの 書評

近代政治哲学(後篇)│國分功一郎

2023/7/30  

カント ■カントの自然状態 カントは、ホッブス・ルソーとはまた別の切り口を提示しています。民衆の状態ひとつとってもそれは明らかで、カントは民衆の状態を「人類の進歩」と見ています。 人間は自由気ままに生 ...

小説以外のもの 書評

近代政治哲学(前篇)│國分功一郎

2023/7/30  

「近代政治哲学」國分功一郎ちくま新書 近代とはなにか 近代といえば、ヨーロッパにおける市民革命から第一次世界大戦の終結までを云います。そして、その期間は国家が形成・発展した時期と重なります。「近代政治 ...

小説以外のもの 書評

タモリ論│樋口毅宏

2023/7/30  

『タモリ論』樋口毅宏新潮新書 バイオレンスとセクシャルをひっさげ、文壇に殴りこみをかけた樋口毅宏、そのデビュー作が『さらば雑司ヶ谷』です。 そのさらば雑司ヶ谷のなかにはタモリに触れている箇所があって、 ...

文脈でよむ

「そして誰もいなくなった」が読みたい!

2022/7/21  

「そして誰もいなくなった」アガサ・クリスティ清水俊二訳早川書房 インディアン島に招待された客人たちが、一人またひとりと消えていきます。迫りくる連続殺人に、残された人たちは怯え身を寄せるのですが、ひょっ ...

小説 書評

QED ホームズの真実│高田崇史

2023/7/30  

『QED ホームズの真実』高田崇史講談社ノベルス 桑原祟と棚旗奈々ふたたび───。テーマはシャーロックホームズと紫式部です。QEDシリーズ史上これほど異色の組合せはなく、これほど期待がふくらむ題材はあ ...

小説以外のもの 書評

満鉄全史│加藤聖文

2023/7/30  

『満鉄全史』加藤聖文講談社 国策会社といわれた満鉄。その歴史を紐解いた一冊です。 満鉄総裁の系譜は、日本近代化のスペシャリストで、台湾統治時代に児玉源太郎の片腕として辣腕を振るった後藤新平から始まりま ...

文脈でよむ

「象徴天皇」を考える

2022/7/16  

「東京プリズン」赤坂真理河出書房新社 主人公が、アメリカの地で天皇降伏について討論するお話しです。天皇の発する言葉の主体がIなのかPeapleなのか論じていて、そこに興味をおぼえました。天皇の発する言 ...

小説 書評

模倣の殺意│中町信

2023/7/30  

『模倣の殺意』中町信創元推理文庫 新人推理作家の自殺にまつわるミステリー。新人賞受賞後の第一作がだせずに悩んでいた坂井正夫は創作上の壁にぶち当たっていました。書き上げては編集社から何度も没をくらい、ま ...