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盤上の夜│宮内 悠介
2023/7/29
『盤上の夜』宮内 悠介東京創元社 失踪した女流囲碁棋士のお話しです。ジャーナリストの視点で語られるものの、記者がおもてに出ることはなく、直接ストーリーに関わることもありません。話の筋はあくまで稀有な能 ...
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さようなら、ゴジラたち│加藤典洋
2023/7/29
『さようなら、ゴジラたち』加藤典洋岩波書店 ゴジラの特殊撮影監督といえば円谷英二で、特撮の父とよばれる円谷は「太平洋の鷲」「さらばラバウル」につづいて「ゴジラ」の制作を手掛けています。このことは「ゴジ ...
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屍の命題│門前典之
2023/7/29
『屍の命題』門前典之原書房 物語の舞台となるのは、信州・焔水湖の傍にたつ美島館です。美島館は、西洋建築史を専門とする元大学教授・美島総一郎の別荘です。ただし建設を切望していた教授本人は、四年まえの大雪 ...
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デッドマン│河合莞爾
2023/7/29
「デッドマン」河合莞爾角川書店 バラバラ殺人事件の犯人をベテラン刑事が追う話です。警視庁捜査第一課に籍をおく鏑木は、四十五才。日々の捜査に疲れ、頭は鉛がはいったように鈍く、一見するとただのぼんくらにし ...
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最後の息子│吉田修一
2023/7/29
『最後の息子』吉田修一文春文庫 オカマの恋人と暮らす青年──そのうらぶれた日常と終焉の物語です。 恋人の名前は閻魔ちゃんといい、新宿界隈で飲み屋を経営していて、店にはいろんな人たちがやってきて、なかに ...
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これはペンです│円城塔
2023/7/29
『これはペンです』円城塔新潮社 この本の価値は、出だしに集約されています。 叔父は文字だ。文字どおり。 一見すると、なんのことかさっぱりわからない文章です。日本語として読めますが、意味を為しておらず、 ...
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光秀の定理│垣根涼介
2023/7/28
『光秀の定理』垣根涼介角川書店 明智光秀を題材にした歴史小説です。 世間の外に身を置く無頼の僧・愚息と、坂東から流れてきた兵法者・新九郎のやりとりから物語ははじまります。師弟関係ともいえるふたりのあい ...
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黒警│月村了衛
2023/7/28
『黒警』月村了衛朝日新聞出版 近未来SFの警察小説を描いていた月村了衛が、現代に舞台を移すととどうなるか? それがこの「黒警」になります。 警視庁組織犯罪対策部の捜査員・沢渡は、ただ組織に従順であれ― ...
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眩談│京極夏彦
2022/6/12
『眩談』京極夏彦メディアファクトリー 怪談です。とても薄らした。一人称の語りから、例のごとく京極節がはじまり、ぼやきまくったあとにさいごに怪異が現れるという趣向です。それも怪異なのか単なる見間違いなの ...
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ルック・バック・イン・アンガー│樋口毅宏
2023/7/28
『ルック・バック・イン・アンガー』樋口毅宏祥伝社 エロ本出版社の悲喜こもごも。登場人物はいずれも歪んでいて、ペニスに絶対の自信を持ち、愛する女を他の男に抱かせるという異常性欲の男。絶望の淵で酒をあおり ...