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小説 書評

黒警│月村了衛

2023/7/28  

『黒警』月村了衛朝日新聞出版 近未来SFの警察小説を描いていた月村了衛が、現代に舞台を移すととどうなるか? それがこの「黒警」になります。 警視庁組織犯罪対策部の捜査員・沢渡は、ただ組織に従順であれ― ...

小説 書評

眩談│京極夏彦

2022/6/12  

『眩談』京極夏彦メディアファクトリー 怪談です。とても薄らした。一人称の語りから、例のごとく京極節がはじまり、ぼやきまくったあとにさいごに怪異が現れるという趣向です。それも怪異なのか単なる見間違いなの ...

小説 書評

ルック・バック・イン・アンガー│樋口毅宏

2023/7/28  

『ルック・バック・イン・アンガー』樋口毅宏祥伝社 エロ本出版社の悲喜こもごも。登場人物はいずれも歪んでいて、ペニスに絶対の自信を持ち、愛する女を他の男に抱かせるという異常性欲の男。絶望の淵で酒をあおり ...

小説 書評

ジグβは神ですか│森博嗣

2023/7/28  

『ジグβは神ですか』森博嗣講談社ノベルス 創作活動に打ち込む人たちがあつまった芸術村、そのコテージで殺人事件がおこります。殺されたのは若い女性。被害者は裸のままラップ包まれ、棺に納められていました。い ...

小説以外のもの 書評

サルトル│梅木達郎

2023/7/28  

『サルトル 失われた直接性をもとめて』梅木達郎日本放送出版協会  ジャンポール=サルトルとは、実存主義を代表するフランス哲学者です。そして、哲学者だけでなく、小説家と劇作家の顔を持っていま ...

小説 書評 本について

李陵・山月記│中島敦

2023/7/28  

『李陵・山月記』中島敦新潮文庫 中国ファンタジー――ってちがうか。李陵は中学校の教科書で読んだことがあり、内容はなんとなく覚えていました。当時読んだときは、なんて青臭い内容だと鼻で笑っていたものです。 ...

小説 書評

夏服パースペクティブ│長沢樹

2023/7/28  

『夏服パースペクティブ』長沢樹角川書店 瑞々しい青春の香りがただよう学園ミステリィ。今回の舞台は、高校の映画制作部です。新進気鋭の女性映画監督・真壁梓のセルフプロデュース作品がもちあがります。現役高校 ...

小説 書評

東京プリズン│赤坂真理  (後編)

2023/7/28  

で――。マリの天皇降伏の研究は、混迷を深めていました。玉音放送で有名なあの一節を英訳しようとしたところで、マリの手はハタととまります。堪ヘ難キを堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒそう、まさにあの一節です。しかしこれは ...

小説 書評

東京プリズン│赤坂真理  (前編)

2023/7/28  

『東京プリズン』赤坂真理河出書房新社 高校生のマリは、親元をはなれ、アメリカのメイン州に留学していました。成績優秀とはいえないものの、友だちもできて高校生活を楽しんでいたマリに、ある日、転機がおとずれ ...

小説以外のもの 書評

写楽 仮名の悲劇│梅原猛

2022/5/17  

『写楽 仮名の悲劇』梅原猛新潮社 島田荘司の「写楽 閉じた国の幻」に興味がわいて手にとった本です。こちらは写楽が歌川豊国であるという説です。豊国だと「役者舞台之姿絵」などが有名で、パーツパーツを見比べ ...