
ストーリーマッピングをはじめよう
ドナ・リチョウ著
高崎拓哉訳
ビー・エヌ・エヌ新社
モノを売る行為──広告ということですが──に、インパクトやおもしろさを求めていくと、最終的にストーリーに行き着くようにおもいます。この本は、そのことを確信犯的に利用しています。モノを売るためには差別化が必要で、差別化させるには、まずはユーザーにプロダクトを体験させ体験させたあとにストーリーを語るという順番ですすんでいくといいます。そういったプロダクトの有用さ、便利さにプラスアルファしてストーリーの仕組みを商品開発や広告に役立てようというわけです。
ストーリーをかたるうえで、構造と盛り上がりがあります。この構造と盛り上がりが定式化されているところに、ストーリーマッピングの特徴があり、大げさにいうなら、構造と盛り上がりの文脈だけで広告を語ろうとしている節があります。
画一的な定式化はいささか乱暴な気もしますが、童話の住人だったサンタクロースが広告のなかで生きながらえているのをみるなら、ストーリーが広告のなかに回収されるのも頷けます。

それにしてもこの図、ジョセフ・キャンベルの主張そのままですね。