
千の顔をもつ英雄
ジョーゼフ・キャンベル
早川書房
洋の東西をとわず神話や民話をあつめ、それを比較・分解しながら、神話に内在する法則性を見出すのがキャンベルの手法です。異常生誕──ここでは処女出産としてかたられている──や父親の対立、導く賢者など、神話を構成するさまざまな要素が明らかとなり、それが豊富な知識とともに語られるとなれば、読み手の興も乗ってきます。
キャンベルの知識もさすがで心理学だけにとどまらず、社会学や民俗学、はたまた世界のなりたちにまで及びます。読んでて圧倒されます。なかでも、通過儀礼の定型は秀逸でした。

この図を知ったのは、大塚英志の本をよんだときでした。
見た瞬間、物語の真髄に触れた気がして、いたく感動したものです。