小説 書評

書楼弔堂 炎昼│京極夏彦

「書楼弔堂 炎昼」
京極夏彦
集英社

悩める子羊が書舗にやってきて、店主と話すうちに悩みが晴れ、その人にぴったりの一冊を買ってかえる書店懺悔ストーリー

店をおとずれた子羊のもやもやが、店主の詭弁めいた騙りにより細かく分解され、整理されていきます。その整理の仕方が見どころです。うさんくさいと思いつつ、店主の語りはそれなりに筋が通っていて、聞いてるうちにすっかりだまされます。

おそらく、これは禅問答です。禅問答をハタからながめている。それだけのことがけっこう愉しかったりします。

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