『断る力』
勝間和代
文藝春秋
どうも、読んでて好きになれないんですよね。この人。断るというのは仕事の基本なのですよ。いったん断っておいて、ではどこまでだったらできますか? と交渉に入るのが常套手段。No-but方式が基本となります。だから断り方の要諦が書いてあるのではないかと期待して読んだんですけど、書いてかるのは借り物のマネジメント知識が多く、ごまかされてる気がしてならない。
ただし編集はそこそこウマイので飽きることはなく、でもやっぱり、実感に乏しいような気がします。「これは使える!」という実践的なものはありませんでした。
お笑い論
唯一おもしろかったのは、勝間さんのお笑い分析でした。
ビートたけしと明石家さんまを例に挙げ、彼らの笑いが、リターンマキシマイズな戦略だと述べています。それは萩本欽一から俺たちひょうきん族へ人気が移っていくその様子をさしているのは明らかで、なんとも経営学を学んだ人がやりそうな分析だなと苦笑いでした。逆にそのへんの世代のお笑いが好きなのかなとおもうと、勝間さんに親しみがもてるような気がします。