小説 書評

相棒に気をつけろ

『相棒に気をつけろ』
逢坂 剛
新潮社

コミカル犯罪小説

チンケな詐欺師のお話しです。主人公の詐欺師は、最低な相棒ジリアンに詐欺の現場を目撃され、次々と面倒な事件を持ちこまれてそれを手伝うはめになります。いわばこれはコミカルな犯罪小説で、詐欺師とジリアンの関係をルパンと不二子ちゃんに読み替えればわかりやすいと思います。

主人公はジリアンの依頼によって小悪党を懲らしめる計画に加担するのですが、懲らしめる際の計略がミステリィになっています。事件にもキャラクターにも派手さはありませんが、そこそこ楽しんで読めるのは、この計略がおもしろいからでしょう。

ヒロイン

個人的にわりとジリアンが好きだったのですが、このヒロイン、ちょっと太めでしかもまったくキレイではなく、そればかりかカネにはがめつく主人公の報酬を値切って自分の懐におさめようとさえします。一見して最悪です。にもかかわらず、なぜか憎めない。
やっぱりオンナは愛嬌ですね。

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